小説のネタが思いつかないときに、お題から物語を作る方法
人物や場面は浮かぶのに、物語として書き出せない。そんなときは大きな事件を足す前に、その場で人物が何を望んでいるかを決めてみましょう。ガチャのお題を、短い小説の出発点に変える手順を紹介します。
お題を全部使おうとしなくていい
たとえば「無口な人×世話焼きな人×雨宿り」が出たとします。これは完成した筋書きではなく、選べる材料です。無口という属性だけ残しても、雨宿りだけ使ってもかまいません。書きたい人物がすでにいる二次創作なら、人物の属性を置き換えず、その二人が雨宿りしたらどうするかを考えます。
最初に一つだけ、気になる要素に丸を付けます。「なぜ無口なのか」より「今日は何を言えずにいるのか」と、いま起きていることへ質問を寄せると、場面が動き始めます。
望みと、それを止めるものを一つずつ
主人公の望みは「謝りたい」。止めるものは「先に相手が普段どおり話しかけてきたので、切り出せない」。この程度の小さな障害でも短い物語になります。世界を救う必要はありません。
相手にも望みを持たせると、会話が一方通行になりにくくなります。世話焼きな人は、謝ってほしいのではなく、一緒に帰りたいのかもしれません。双方の望みが少しずれることで、同じ傘を巡るやり取りにも意味が生まれます。
変わる前と変わった後を決める
始まりでは主人公は相手を避けている。終わりでは自分から傘に入れてほしいと言う。事件の大きさではなく、行動の変化を決めます。その間に必要なのは、相手の気持ちを考え直すきっかけです。
ここで過去をすべて説明しなくても大丈夫です。「昨日、差し出された傘を断った」という事実だけで現在のためらいが伝わるなら、幼少期の回想は別の作品に取っておけます。
一つの行動から書き始める
例文:軒先から手を出すと、指に大粒の雨が当たった。「入る?」。昨日と同じ傘が、今日は少し遠くにあった。
天候の説明だけでなく、人物が確かめる動作と、昨日との違いを置いています。この先は、傘へ近づくのか、断るのかを選べば続けられます。例文を正解にするのではなく、自分が続きを知りたい行動を入口にしてください。
五行のメモを、短い一場面へ
練習では「場所」「主人公の望み」「言えない理由」「気持ちが動く出来事」「最後の行動」を一行ずつ書きます。そのあと、最初と最後をつなぐ会話や動作だけを書いてみましょう。字数は完成させやすい長さでかまいません。
途中で別の展開が面白くなったら、メモから変えても大丈夫です。ガチャを引き直す前に、同じお題で最後の行動を二案考える練習もできます。「一緒に帰る」と「今日は別々に帰る」のどちらにも、その人物らしい物語があります。
お題を、書きたい物語のきっかけに
オリジナルの人物を考えるなら一次創作のガチャへ。すでにいる二人の場面を考えるなら、二次創作の「推しカプガチャ」も使えます。出た結果のうち、気になる要素だけを物語へ取り入れてみてください。